─遠い花の咲く季節だった。
目の前に広がる空が、永遠のように思えた。
あなたはあたしに「砂糖菓子のようだ」と言った。
そのとおり、あたしは脆く儚く、そして甘かった。
優しさの意味。
強さの秘訣。
美しくあるという事。
幼いあたしには何一つ分からなかった。
「もう少し大きくなったら、その意味が分かるかな?」
その言葉に柔らかく微笑むあなたの背中を
ずっと追い続けていたはずなのに…。
青空へ旅立っていったあなたを
もう追いかけることは出来ない。
もうすぐ私はあの時のあなたと同じ年齢になります。
変わらぬ声で。大好きな笑顔で。
「大きくなった」と言ってくれますか?
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