君が僕の名を呼んだ
夏空の下 甘くその声が響く
2限後。昼休み。
今日はとても良い天気で、外の声が煩い。
図書館前の芝生では、多くの学生が
気持ち良さそうに陽射しを浴びていた。
友達と帰る、私。何時も通りの談笑。
「さっき授業でさぁ…」
「まじ?ありえん!!」
ふと何処からか感じる視線。
芝に腰を下ろし、じっと此方を見ている男(ヒト)。
「美晴」
軽く左手を上げ、私の名を呼ぶ男がいる。
嗚呼、そう云えば、彼も左利きだったっけ…。
右手に持つ携帯は緑、彼のものと同じ。
あの雰囲気、あの髪、あの声。似てる。
けれど
果たして彼は、私を覚えていたのだろうか。
本当に、私の名前を呼んだのだろうか。
私の都合の良い、聞き間違いではないだろうか。
呼ばれた事が信じられず。
只々頭は真っ白で。
隣にいる友達には「あたしかなぁ?」なんて平静を装い、
彼にはとりあえず、軽い会釈をした。
帰り道も、友達の話が頭に入らなくて、
堪らず携帯を取り出した。
「さっき、芝生んトコいた?」
5分後。聞き慣れた着信音。
“決定”ボタンを押す指が、震える。
「うん。いたよー。」
『あたしはあの瞬間(トキ)
失ってた希望の光を見出せる様な気がしてたの』
夏空の下 甘くその声が響く
2限後。昼休み。
今日はとても良い天気で、外の声が煩い。
図書館前の芝生では、多くの学生が
気持ち良さそうに陽射しを浴びていた。
友達と帰る、私。何時も通りの談笑。
「さっき授業でさぁ…」
「まじ?ありえん!!」
ふと何処からか感じる視線。
芝に腰を下ろし、じっと此方を見ている男(ヒト)。
「美晴」
軽く左手を上げ、私の名を呼ぶ男がいる。
嗚呼、そう云えば、彼も左利きだったっけ…。
右手に持つ携帯は緑、彼のものと同じ。
あの雰囲気、あの髪、あの声。似てる。
けれど
果たして彼は、私を覚えていたのだろうか。
本当に、私の名前を呼んだのだろうか。
私の都合の良い、聞き間違いではないだろうか。
呼ばれた事が信じられず。
只々頭は真っ白で。
隣にいる友達には「あたしかなぁ?」なんて平静を装い、
彼にはとりあえず、軽い会釈をした。
帰り道も、友達の話が頭に入らなくて、
堪らず携帯を取り出した。
「さっき、芝生んトコいた?」
5分後。聞き慣れた着信音。
“決定”ボタンを押す指が、震える。
「うん。いたよー。」
『あたしはあの瞬間(トキ)
失ってた希望の光を見出せる様な気がしてたの』
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