あおぞら

2006年5月10日 戯言
なまぬるい風が吹いて、あたしのスカートを揺らした。
真っ赤に咲いたチューリップに、蝶々が止まった。
 
唯、それだけ。
5月の昼下がりの時間を少し、切り取っただけ。
 
 
黄色い雲がやってきて、あたしを追い立てた。
昨日買ったばかりのサンダルで、ぎこちなく走った。
 
空は、不思議なくらいに青かった。
日なたくさい、夏の匂いがした。
 
 

あたしの部屋から聞こえる音楽も
あんたが吸ってる煙草のけむりも
遠く聞こえる中学生の笑い声も
 
此処にいるあたしでさえも
 
全部とけてきえちゃって、アオになって。
いつか空に近くなるのね。
 
 
いつの間にか、あたしは下を向いてたみたいで
目の前に灰色のアスファルトがあった。
何故だか、あたしの涙がぽつりと落ちた。 


へたくそな忍び足をしながら、夏はすぐそこまで来てる。

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