ときめきが何時しか溜め息に変わり
好きになる度激しさ覚えた
苦味を知った大人の振りしたって
何も変わらないのに
さりげない振る舞いに見つかる優しさや
微笑みの裏に潜む強がり
全てが懐かしくて愛おしい
いつかまた何処かで会えるかな
好きになる度激しさ覚えた
苦味を知った大人の振りしたって
何も変わらないのに
さりげない振る舞いに見つかる優しさや
微笑みの裏に潜む強がり
全てが懐かしくて愛おしい
いつかまた何処かで会えるかな
記憶の色 (aqua)
2005年1月28日 色舞
何故だかは分からないけれど
日毎に現実が色褪せて
翳んで見えなくなってゆく
それと比例する様に
還らない過去ばかり
鮮やかに色づき リアルさを増してゆく
此処にいる実感も無いくせに
感覚だけには敏感なんだ
新しく入ってくるものを拒んで
過去を抉って心に刻み
君を忘れない様にした
あの頃から私
少しも変われていないのかもね
日毎に現実が色褪せて
翳んで見えなくなってゆく
それと比例する様に
還らない過去ばかり
鮮やかに色づき リアルさを増してゆく
此処にいる実感も無いくせに
感覚だけには敏感なんだ
新しく入ってくるものを拒んで
過去を抉って心に刻み
君を忘れない様にした
あの頃から私
少しも変われていないのかもね
夜に窓の遠く
妖しくも美しい琥珀色
不意に零れた涙は
十六夜の月の所為
長い髪を掻き揚げ
最後の煙草に火を点ける
柔らかな紫煙は君の馨り
伏目がちに「淋しい」と呟くなんて
君に負けた気がするから
固く目を閉じて唯
暁の空を待つ
今君は、誰に恋をしていますか?
妖しくも美しい琥珀色
不意に零れた涙は
十六夜の月の所為
長い髪を掻き揚げ
最後の煙草に火を点ける
柔らかな紫煙は君の馨り
伏目がちに「淋しい」と呟くなんて
君に負けた気がするから
固く目を閉じて唯
暁の空を待つ
今君は、誰に恋をしていますか?
きっかけなんて
ほんの些細で、単純な事だったんだ。
例えば君が、僕の右隣に座っていた時、僕はふと、左利きになりたいと思った。
片方ずつ、手があいていれば、できることがあるはずなんだ。
君に触れたい。
君と手を繋ぎたい。
だけど臆病な僕は、まだ今日も右利きのまま。
「ねぇ、何見てんの?」
退屈な授業中に、隣から君の声が聞こえる。
違う方向を向いてても、誰が喋っているのか分かるんだ。
もちろん、それは君に限ってのことだけれど。
「空…見てた。」
君の方を向き直りながら、僕はぼそぼそと答える。
窓際に座る者だけが楽しめる、退屈な授業中の唯一の娯楽。
だけど、僕が見ているのはもっと別のもの。
青い、青い空よりも、もっときれいで大切なもの。
突然、ノートを取るのを止めてぶらりと垂らしていた右手に、温かいものが触れた。
「あげる。暇なんでしょ?」
君の左手から渡されたのは、甘い甘いいちご味の飴。
可愛い君に似合う飴。
「食べてたら暇つぶしになるよ」
にこっと微笑む君が愛しくて。
少しだけ触れた手のぬくもりが嬉しくて。
「ありがと…」
赤くなった顔を隠す為に、俯きながらそう答えた。
君が不思議そうに僕を見ているのが分かる。
少しだけ耳に入ってくる先生の声。
いい国作ろう鎌倉幕府?
後鳥羽上皇承久の乱?
何の話だ。
もっと君と話したい。
もっと君と触れ合いたい。
僕の頭のなかにあるのは、それだけで。
明日からは、窓に映る君を眺めてるだけじゃなく、
少しだけ、直接君を見てみようと思う。
出来れば、何か楽しい話をして、君を笑わせたいと思う。
そしていつか、君と手を繋ぐ時のために
ほんのちょっとだけ、左利きになる練習も、してみようと思う。
だけど今日の僕はまだ、臆病な右利きのまま。
僕が変わるきっかけは、ほんの些細な事だったんだ。
氣志團現象最終章 ─THE LAST SONG─ (GIGレポ)
2005年1月25日 ライブ
Happy Birthday 光ちゃん☆
昨日1月24日は、我らが氣志團の早乙女 光ちゃんの誕生日。
という訳で、先日行ったGIGのレポを…。
自分なりに、忘れない様大分纏めてみました。
オープニング映像で始まる氣志團のGIG。
今回は「KISHIDAN FOR WHAT?」 。
「─ 行こうぜ、ピリオドの向こうへ ─」のテロップが流れ終わると、
何時もの如く「BE MY BABY」がかかる。
じわじわとボルテージが上がる会場。
一曲目のイントロが始まる。曲は「房総スカイラインファントム」。ちゃんとランマも居る!
この曲は私の中ではGIGの始まりの曲だから、とても嬉しかった。
青組さん(光ちゃん支持)の私は、舞台左手を凝視!
そして「黒い太陽」「雷電」と続く…。
此処でMCを挟むが、その次が「ゴッドスピードユー!」と「スウィンギンニッポン」
そして「お前らとずっとこんな関係になりたかった!!」と「恋人」…の3連続。
踊りまくり、歌いまくり、この時点で私の息切れは凄いことに…。
MCはやっぱり何時もながら「無視」を取りにくる團長だった。
会場の反応が悪いと「無視1」。無視が3まで溜まると…下ネタが入る。
ランマちゃん復活の大きな拍手が起こる。この辺で会場は一体に。
その後、大好きな「デリケートにキスして」や「ピーターパンエクスプレス」を歌い、ソロパートに入る。
團長の「朝がくる度」が終わり、次は…と思っていると、来た!!押忍ペラーズ!!!
松、トミー、光ちゃん、山口さんで構成される押忍ペラーズ。
♪Hey We are 押忍ペラーズ!
お呼びじゃないのわかってら! ♪
この曲は「アンドロメダの先輩」MIX。
この曲も好きなので、腰と手振って大盛り上がり。
その後は光ちゃんと團長のミュージカル。弱い光ちゃんを團長がかっこよく助ける。
次はユッキ。女装(!?)をし、マッスル音頭を踊る。可愛い!
そしてそのまま「潮騒の子守唄」のパラパラ。
途中で猫手で「ニャーニャー」っていうユッキが可愛いすぎる。
次はトミー。エルヴィスだ…。脇のとこからシャラシャラ出てる服を着て、ヒールを履いてる。
司会の上手なトミーから、ランマへ橋渡し。
ジャグリングをしながら、ラ・バンバを踊るランマ。
私はこれが見れて良かった…ドームへ行ったKISSIES達はどんな気持ちで、この場面を見たのだろう。
何度も失敗するランマを助けるべく入ってくるは、松坊。
キラキラの衣装は紅白の時のもの…松坊サンバを踊り狂っていた。
会場のボルテージは最高潮。松坊サンバを皆で踊り、回る。
長かったソロパートが終り、ランマのソロで「鉄のハート」が始まる。
一番聴きたかった曲!!「OSSA!」という掛け声も、
團長が叫ぶ「お前ら絶対守るからな!」という台詞も、大好き。
そして「キラキラ」「SECRET LOVE STORY」「One Night Carnival」「族」と、シングル続き。
ワンナイでの大合唱は、やっぱり忘れられないな。
ピリオドの向こう側に行く前に、ちゃんと友達にメールを送った。
後、「族」のコーラスイントロにやられる。かっこ良すぎだ。
少しサッカーを思わせて、何だか気持ちが高鳴った。
「せーのーで、やったー!」で、本編はここで一旦終わり。
静まる会場に、「もし東京ドームが失敗に終わったら」というムービーが流れる。
6人中4人のグロ画像…会場から女の子の小さい叫び声が聞こえていた(苦笑)。
そして曲へ。「BOYS BRAVO!」と「ゆかいな仲間たち」が続く。
ゆかいな仲間たちの「レッツラゴーゴー!」の部分のユッキが好き。
そして第2部も終わり、第3部へ…。
アンコール2回目は、最後「國道127號線の白き稻妻 」で締められる。
全員特攻服!!!
「もーっともっと」と氣志團コール、そして「127コール」をし、連帯感が高まる。
長い長い「127コール」を終えると、とびっきりの笑顔をした6人が居た。
お決まりの「大阪最高!」「お前ら最高!」を繰り返し、本当のラストを迎えた。
氣志團現象もこれで最終章。今まで本当に沢山の感動を有難う。
また氣志團のGIGに参加出来る事を願っています。
最後に…
「せーのーで、やったー!」
昨日1月24日は、我らが氣志團の早乙女 光ちゃんの誕生日。
という訳で、先日行ったGIGのレポを…。
自分なりに、忘れない様大分纏めてみました。
オープニング映像で始まる氣志團のGIG。
今回は「KISHIDAN FOR WHAT?」 。
「─ 行こうぜ、ピリオドの向こうへ ─」のテロップが流れ終わると、
何時もの如く「BE MY BABY」がかかる。
じわじわとボルテージが上がる会場。
一曲目のイントロが始まる。曲は「房総スカイラインファントム」。ちゃんとランマも居る!
この曲は私の中ではGIGの始まりの曲だから、とても嬉しかった。
青組さん(光ちゃん支持)の私は、舞台左手を凝視!
そして「黒い太陽」「雷電」と続く…。
此処でMCを挟むが、その次が「ゴッドスピードユー!」と「スウィンギンニッポン」
そして「お前らとずっとこんな関係になりたかった!!」と「恋人」…の3連続。
踊りまくり、歌いまくり、この時点で私の息切れは凄いことに…。
MCはやっぱり何時もながら「無視」を取りにくる團長だった。
会場の反応が悪いと「無視1」。無視が3まで溜まると…下ネタが入る。
ランマちゃん復活の大きな拍手が起こる。この辺で会場は一体に。
その後、大好きな「デリケートにキスして」や「ピーターパンエクスプレス」を歌い、ソロパートに入る。
團長の「朝がくる度」が終わり、次は…と思っていると、来た!!押忍ペラーズ!!!
松、トミー、光ちゃん、山口さんで構成される押忍ペラーズ。
♪Hey We are 押忍ペラーズ!
お呼びじゃないのわかってら! ♪
この曲は「アンドロメダの先輩」MIX。
この曲も好きなので、腰と手振って大盛り上がり。
その後は光ちゃんと團長のミュージカル。弱い光ちゃんを團長がかっこよく助ける。
次はユッキ。女装(!?)をし、マッスル音頭を踊る。可愛い!
そしてそのまま「潮騒の子守唄」のパラパラ。
途中で猫手で「ニャーニャー」っていうユッキが可愛いすぎる。
次はトミー。エルヴィスだ…。脇のとこからシャラシャラ出てる服を着て、ヒールを履いてる。
司会の上手なトミーから、ランマへ橋渡し。
ジャグリングをしながら、ラ・バンバを踊るランマ。
私はこれが見れて良かった…ドームへ行ったKISSIES達はどんな気持ちで、この場面を見たのだろう。
何度も失敗するランマを助けるべく入ってくるは、松坊。
キラキラの衣装は紅白の時のもの…松坊サンバを踊り狂っていた。
会場のボルテージは最高潮。松坊サンバを皆で踊り、回る。
長かったソロパートが終り、ランマのソロで「鉄のハート」が始まる。
一番聴きたかった曲!!「OSSA!」という掛け声も、
團長が叫ぶ「お前ら絶対守るからな!」という台詞も、大好き。
そして「キラキラ」「SECRET LOVE STORY」「One Night Carnival」「族」と、シングル続き。
ワンナイでの大合唱は、やっぱり忘れられないな。
ピリオドの向こう側に行く前に、ちゃんと友達にメールを送った。
後、「族」のコーラスイントロにやられる。かっこ良すぎだ。
少しサッカーを思わせて、何だか気持ちが高鳴った。
「せーのーで、やったー!」で、本編はここで一旦終わり。
静まる会場に、「もし東京ドームが失敗に終わったら」というムービーが流れる。
6人中4人のグロ画像…会場から女の子の小さい叫び声が聞こえていた(苦笑)。
そして曲へ。「BOYS BRAVO!」と「ゆかいな仲間たち」が続く。
ゆかいな仲間たちの「レッツラゴーゴー!」の部分のユッキが好き。
そして第2部も終わり、第3部へ…。
アンコール2回目は、最後「國道127號線の白き稻妻 」で締められる。
全員特攻服!!!
「もーっともっと」と氣志團コール、そして「127コール」をし、連帯感が高まる。
長い長い「127コール」を終えると、とびっきりの笑顔をした6人が居た。
お決まりの「大阪最高!」「お前ら最高!」を繰り返し、本当のラストを迎えた。
氣志團現象もこれで最終章。今まで本当に沢山の感動を有難う。
また氣志團のGIGに参加出来る事を願っています。
最後に…
「せーのーで、やったー!」
─甘いモノが苦手な貴方だから
とっておきのsweetsを
君に似合うはブラックコーヒー
きりっと苦い大人の味
お供にきつめの煙草とロック
脳も麻痺する魅惑の薬
私はずっとミルクティー
甘くてまろやか子供の香り
召しませクッキークリームも付けて
心溶かすわ甘美な誘惑
苦味ばかりじゃ物足りない
甘さばかりじゃ飽きがくる
だったらいっそ溶け合って
至福の時を迎えましょう
全ては私の言うが儘に
素敵な時間を約束するわ
仮面 (Black)
2005年1月23日 色舞─この世に一体何人、私が居るの?
「おまえらしいな」
「美晴っぽーい!」
「そう言うと思った☆」
貴方達の中の私って
どんなのですか
私が自覚出来ていないワタシを
貴方達は知っているのですか
それとも
他人(ひと)の数だけ
“ワタシ”が居るのでしょうか
─色々なアイのカタチ
今から130年も前のこと。
ある日本人男性がアメリカで、大きな夢を語った。
彼にはどうしても叶えたい夢があった。
叶えなければならない夢があった。
そして彼は「この夢を叶える基金を得るまでは、ここを動かない」と大きく宣言した。
それを聴いた聴衆は感動し、彼に100ドル、1000ドルと献金してゆく。
大分集まったところで、一人の農夫が立ち上がり、彼に2ドルを差し出した。
「これを貴方の夢に役立てて下さい。」
それはその農夫の帰りの汽車賃だった。
それが無ければ彼は、自宅まで120Kmもある道のりを、あるいて帰らねばならない。
「なに。わしの脚はまだ衰えてはおらんよ。」
農夫の願いは、彼の夢を実現させた。
誰かの為に自分を犠牲にする事。
エゴじゃない。フィリア。
こんな風に、私も誰かを想いたい。
氣志團現象最終章 ─THE LAST SONG─
2005年1月19日 ライブ─ロックよ、静かに流れよ…
11月から延びに延ばされた氣志團のライブに行ってきた。
友達のアキと待ち合わせ、大阪城公園へ…。
「今日ランマちゃん出るかなぁ?」
「出るんちゃう?俺新聞で“昨日出てた”って見たもん」
そんな会話をしながら城ホールに着くと、もう其処は人でいっぱい。
何時もながら、コスしてる人は凄い。
翔やんと同じ格好をした小さい5歳位の男の子も居る。
周りをきょろきょろと見ながら、会場の周りで佇んでいた。
開場は5時半。開演は6時半。
ランマちゃん登場!!
スタートは「房総スカイラインファントム」。
ギターリフに鳥肌が立つ。
そこから「黒い太陽」「スウィンギンニッポン」「恋人」と名曲揃い。
アキと私は踊りまくり♪
途中メンバーソロでのカラオケ大会(城ホールで…)。
ミュージカルにラップにサンバにブルースと、何でもありだった。
氣志團のライブは本当にエンターテイメントに富んでいると思う。
個人的にラップの「押忍ペラーズ」がかなり気に入った。
基本ラップ系音楽が好きなもので…。
團長と光ちゃんの掛け合いが微笑ましくて「可愛い」を連発してしまった。
あの二人仲良すぎで羨ましい…。
「One Night Carnival」はもちろん会場中が熱唱&ダンシング。
楽しすぎてダンスの振りが大きくなりすぎてしまった。
今回のアンコールは3回!!
計4時間のライブだった。
色々書きたい事はあるけれど、興奮のせいか全く文がまとまらない…。
また後々書き加えていきます。
最後に…ありがとう氣志團ちゃん!!
「センキューオーライ♪」
追いかけた幻想
大切にしてきた思い出
今までの私の記憶
みんな蒼く黒い海に呑まれた
細波の音が聞こえる
けれど視覚はもはや役目を果たさず
視点は空を彷徨うばかり
私が此処にる意味はあるのか
夜が深まる
闇に溶ける
全てを黒く染め上げるのなら
どうか私も一緒に
大切にしてきた思い出
今までの私の記憶
みんな蒼く黒い海に呑まれた
細波の音が聞こえる
けれど視覚はもはや役目を果たさず
視点は空を彷徨うばかり
私が此処にる意味はあるのか
夜が深まる
闇に溶ける
全てを黒く染め上げるのなら
どうか私も一緒に
「好きだよ。大好きだよ」
君の胸元に顔を埋め
服をぎゅっと掴み、泣いてた
忘れられない言葉
近くて遠い君との距離
耳に残る音楽
この雑踏に埋もれて無くなってしまいそう
それでも進むよ
それでも歩き続けるよ
例え私を見下ろしているのが
偽善の月灯りだったとしても
君の胸元に顔を埋め
服をぎゅっと掴み、泣いてた
忘れられない言葉
近くて遠い君との距離
耳に残る音楽
この雑踏に埋もれて無くなってしまいそう
それでも進むよ
それでも歩き続けるよ
例え私を見下ろしているのが
偽善の月灯りだったとしても
─其れがあの頃の私の、精一杯の生き方だった。
風に靡く私の髪と
大きな君の背中と
かんかん響く二人の足音
螺旋階段を上って星空の下
眩く光るネオンを見てた
「傍に居てね」
呟こうとして慄いた
優しさに甘えて
心地よさに委ねて
何時からか弱くなった私
切なき夜に何を想う?
不安な朝に何を願う?
そうやって淋しさから逃れて
私は一体何を得る?
強くならなきゃ
何物にも負けない様に
強くならなきゃ
此の夜に哂われない様に
赤い月が大きく輝いていた夜
私は素直さを失った
●明夜さん、リンク張らせて頂きました。
私の高く細い歌声と
彼の脳まで痺れる低音と
彼女の甘く鳴る声と
あいつの心臓を叩く様な響き
カルテット
完璧に重なり合った音楽は
何事も無いかの様に演奏を続けるけれど
錯綜した心の内側は
隠し切れない
忘れゆく 儚い記憶
埋もれ隠る 罪の痕
それでも四重奏は続く
彼の脳まで痺れる低音と
彼女の甘く鳴る声と
あいつの心臓を叩く様な響き
カルテット
完璧に重なり合った音楽は
何事も無いかの様に演奏を続けるけれど
錯綜した心の内側は
隠し切れない
忘れゆく 儚い記憶
埋もれ隠る 罪の痕
それでも四重奏は続く
─今私の立っている此の地に眠る記憶達
飽くなき歌声を聴かせて下さいな
叶わなかった想い
許されない無垢なる罪
幼子の眼の様な穢れない希望
胸を熱くさせる強靭な志
全てを闇で覆う憎悪の念
志半ばで散って逝った者の無念
そして、朽ち果てることの無い夢
海が、山が、砂漠が、平原が持つ命の歌
大人が、子供が、動物達が奏でる記憶の歌に
耳を傾けてみましょう
いずれ私も此の地に眠る記憶になるから
それまでは聴かせて下さい
此の地が生み出す記憶の鎮魂歌
─「大きくなれば私も、あんな風になれるんだ!」
幼い頃は道行くカップルを見て、そんな事を思ってた。
現実に気付くのは、もっともっと、先の事。
昨日、中学1年の頃からの友達と遊んだ。
彼は現在の生徒会執行部仲間。
お互いの事は良く知っているし、何でも言える。
深夜のファミレスで二人、打ち明け話をした。
「お前って、何でそんな難しい恋しかせんの?」
盛り上がってきた恋バナの途中、彼がふと洩らした言葉。
だんまり、俯く私。
確かに私が出逢った“恋”というものは、ほとんどが難しいものだった。
実った想いもあったけれど、障害も多々あった。
中2の頃好きだった人は、部活の先輩。
友達と、同じ部活の先輩がライバルだった。
中3の頃好きだった人は、違うクラスの彼。
「好きだ」って言われたけれど、その人には彼女が居た。
そして高2の最後に好きになった人には、彼女が居る。
「何でやろうね。…そういうの呼び寄せちゃうんかもね!」
「笑った顔が痛々しいわ」
…見破られた。
私だって甘酸っぱい、幸せな恋がしてみたいのよ。
─日々の生活に救いを。
過去の断片に祈りを。
置き去りにされたものを持て余す
青と白と銀で構成されたこの部屋に
無駄なもの等無い筈なのに
無機質な空間に忘れ物
君が大好きだった色
黄色のマフラー
捨てられなくて
返せもしなくて
唯其処に存在している
私の所有物と、調和出来ぬまま
甘い甘いミルクティーを飲んで
お気に入りの音楽を聴きながら
今日と云う日に別れを告げましょう
此の淋しいマフラーの様に
取り残されたりしないように